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梓瀞学園
4


「……どうしてこの俺が、知りもしない編入生のために、わざわざ門衛のトコまで出向かなきゃいけないの? どうせ1本道だし、ここで待ってれば会えるだろう? だから、ここでゆっくり待ってたの」


ね? 有意義な時間の使い方だろ? 、と先輩は優雅に笑う。


(……くっ、黒い! 黒いぞ、その笑顔! この腹黒っ! 似非王子! 黒のプリンス!!!)


誰だ。こんな奴に案内係を頼んだのは……。


「でも、来るのが淹だって知ってたら、ちゃんと迎えに行ったのに……。門衛に変な事されなかった?」

「全然」


寧ろ、電話に邪魔された。


「そう。じゃあ取り敢えず、理事長室案内するよ。行こう」


そうして漸く俺達は噴水広場を離れ、理事長室を目指し、歩き出した。






噴水広場から校舎までは、門から噴水広場までと同じ位の距離だった。

これが全寮制ではなく、通学だったら、毎日いい運動になりそうだ。


「…………校舎?」

「校舎」


同じ単語で問答。端から見れば、さぞ間抜けだろう。

だがそれも仕方無い。


着いた校舎は半端無く壮大で、一般人の俺はその非常識なデカさに呆然とし、単語で問う事しか出来ず。

また吏麻先輩は、このデカさに見慣れてるため、何故そんな当たり前の事を問うのか不思議で、思わず単語返しで答えてしまう。



その壮大な校舎の形は、長方形。だが吏麻先輩曰く、上から見るとロ型になっているらしい。しかもこの校舎の後ろに、同じ物がもう一つ建っているとか。

つまり、ヘリとかで上から見れば、ロの形をした校舎が2つ並んでいるんだろう。少し見てみたい。


「これは一般棟。一般棟の裏に建ってるのが特別棟。理事長室は特別棟の方。一般棟から入って、1階にある通路を通って行くんだ」

「はあ……」

「寮はここから右に行けばあるから」


確かに、右側を見ると建物が見える。校舎に負けず大きそうだ。


「他にもグラウンド、野球グラウンド、体育館、第2体育館、テニスコート、道場、講堂……とか色々あるけど、まぁそれはここでの生活と共に、覚えていけばいいね」


左側にもちらりと建物が見える。体育館だろうか?やはりデカイ。

それだけじゃなく、他にも色々な建物やらなんやらが、このデカイ校舎の後ろにあるらしい。きっとどれも一般的大きさを、優に越えているだろう。



[*BACk][NEXt#]

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あきゅろす。
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