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檜垣学園
1



***ルークside***





熱い…………。


躯が、熱い……。



風邪でも引いたのだろうか?



「……っん…」


体内の熱を吐き出そうと、知らず声が漏れ。


その自分の声が甘い嬌声の様で、思わず眉を寄せた。


何だ?

躯に……細かく言えば、下半身に違和感。


僕は恐怖に駆られながらも勢いよく瞳を開いた。





「あ?起きた?おはよ〜」


「リョ──っく!?」



何て事だ!!!有り得ない!!!


目を覚ました瞬間、僕の視界に映ったのは昨日出会ったルームメイト、凌波だった。


……し、しかも有ろう事か掛け布団を捲られ、寝ている僕の上に馬乗りになって、僕の性器を下着の上から愛撫する様な怪しい手つきで撫でていた!!


「信じられないっ!!寝込みを襲うなんてっ……武士道に反する行為だ!」


「俺侍じゃねーし。つーか襲ってねーよ?ルームメイトのルーク君が寝坊したら大変だと思って、態々起こしにきてやったんだよ。案の定、起きてなかったし、起きてたのはテメーの息子サン」


ケラケラとリョウは笑う。


「おっ面白くない!これは整理現象であって─」
「だーから優しい俺様が、ヌいてやろーと健気に愛撫してやってるんだろ?」

「〜〜〜っ、退けろ!!!!!」







□■□■□


朝っぱらから体力使って激しく疲れた……。


制服を身に付けながら、僕は重くため息を吐く。


ちなみに、なんとかリョウにヌかれる事なく僕は逃げ延びた。

……プライベートルームに、鍵でも付けようか?





昨日リョウに連れられ来た学生寮は、校舎に引けを取らず豪奢で広く、下手したら一流ホテルより凄いかもしれない。


広い割には、最上級生である高等部3年生と一部の人間以外は二人部屋なのか、と思ったが、

風呂トイレ別、カウンター・キッチンに広いリビング。その隣にも広いプライベートルームが2つに、二階まであるし、
それに教師や中等部生徒もこの寮に一緒くたにされている、と聞き納得した。



あ、そう言えば……


「リョウ」


「ん〜?」


制服を着終わり、プライベートルームから出て、先に着替えが終わりリビングのソファーで雑誌を読んでいたリョウに、疑問に思っていた事を訊ね様と声を掛けた。


……が、リョウを見た瞬間新たに別の疑問が生まれ、気付いたらそっちを口にしていた。





「………………リョウ、どうして君の制服と僕の制服は違うんだい?」


「え?あぁ…これ?」



この学園の制服は、襟や裾や袖口が黒のラインに縁取られた、白いブレザー。下は白いスラックス。

それは僕もリョウも一緒。

違うと言うのは、
僕はその中に、冴えた青紫色のワイシャツ。ワイシャツと同じ、青紫色と黒色のストライプのネクタイを締めているが、

リョウのは、中に黒いワイシャツを着て、白と青紫色のストライプのネクタイを締めていた。


「俺が着てるのは生徒会バージョンなの」


ヘラッと笑うリョウに、僕は目を見開く。


「っ、君生徒会役員なのかい?!」




[NEXt#]

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