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〜おまけ〜




「これってもしかして純銀?」


 目の前に小さなオルゴールを持ってきて、その細やかな装飾を凝視する。艶やかに光を照り返し、厭味にならない程度の、その分精密な技術でほどこされている貴金属は素人目で見ても、高価なものだとわかる。よくよく見れば、たまにちらちらと見える青い石はサファイア、か。
 呆然と呟けば、ソファに座っていた人も気づき、近寄ってきてひょいっと肩越しにそれを覗き込む。
 平凡そのものの人生を歩んでいる自分よりも遥かに詳しいだろうその人が、先ほどの言葉に頷くのを見て、視界がくらりと揺らいだ。

 気にせず受け取ればいいと軽々しく言う無責任な隣を強くねめつける。








(いくらお返ししても足りない!)











ヒロインは平々凡々(つまり庶民)。


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