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おてつだい



「おチビちゃんこれ運んでくれる?」
「はい」
「幅が広いけど持てる?」
「もて、ます」
「ちょっと重いけど大丈夫?」
「だいじょうぶ、です」


 よろよろとふらつきながらも、皿をなんとか運んでいる幼児に、ルッスーリアはハラハラとしながらも、ベルが彼を虐めたくなる気持ちが少しわかってしまった。


「可愛いわぁ」


 いじらしい様が庇護欲をそそる。らしかった。


「うぉ゙おい!飯はまだかぁ!?」


 声同様、荒々しい動作でスクアーロがルッスーリアの城であるキッチンに押し入ってきた。
 どうやら空腹に耐えられなかったようだ。


「あら、スクアーロ。今、運んでるから先に座って待ってなさいな」


 スクアーロはその言葉に疑問を抱いた。運んでいる。と、言ってもルッスーリアはまだ皿に盛り付けている最中だったからだ。
 しかし、運ぶのは後のようだが。と思った矢先、彼女(?)が盛り付けた皿が、突然浮いてひとりでに動き始めた。
 一瞬、息をのんで、超状現象かと思ったが。すぐに理由は判明した。黒い小さな生き物が運んでいたのだ。物陰に隠れていて見えなかったが、小さな生き物が縁の広い皿を頭に載せて懸命に運んでいる。


「うぉ゙おい。おめぇふらついてるぞぉ・・・」
「だいじょぶ、です」
「重いんじゃねぇのかぁ?」
「だいじょぶ、です」
「・・・お前の名前はぁ?」
「だいじょぶ、です」
「・・・・・・・・・」


 蛇行する足取りに問いかけるが、幼児は料理を運ぶことに夢中でスクアーロの言葉が耳に入らないようだ。
 ぐらつく小さな身体に、その後を追いながらスクアーロの足取りも思わず千鳥足になる。
 フラフラと危なっかしく歩く幼児に、チョロチョロと付いて回る大の男。子供の後ろで両手を何時でも差し出せるように構えて、オロオロとしている作戦隊長に、ルッスーリアは思わず噴き出した。












(あっ!てめっ走るんじゃねぇ!)
(甲斐甲斐しいわねぇ)













文句言いつつも最終的に世話を焼いてしまう兄貴分な鮫とかだったら、やっぱり長男だよなとか萌え。(落ち着け)

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