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おてつだい2






「腹へった〜」
「今日のおかずはなんでしょうかねー」
「む。ボスはまだいらっしゃらないのか」


 食べ物の匂いに誘われてか。ベル、フラン、レヴィと、さらに人口が増えた。


「かせぇ!オレが運ぶ!」
「あーっ」


 三人がダイニングにつくのと、痺れをきらしたスクアーロが幼児から料理を取り上げるのはほぼ同時だった。


「だめ、ですっぼくの・・・!」
「オレが運んだほうが早いだろぉ」


 足下で取られたお皿を取り戻そうと、ぴょこぴょこ跳ねる子供を、スクアーロは片手で押さえつけた。
 それを見たベルたちは即座に幼児を擁護する。


「何やってんだよスクアーロ」
「小さい子から食べ物を取り上げるなんてオトナゲナイですよー?」
「弱いものイジメか」
「な!?違ぇよ!コイツがあんまりにも危なっかしいから・・・」
「いじめっこ〜」
「いじめっこー」
「いじめっこ・・・」
「おろすぞてめぇら!」


 普段では考えられないほど、息の合いようにスクアーロは地団駄を踏みたくなった。
 おまえらその協調性を任務で発揮しろ。


「あらあらスクったら、お料理はまだたくさんあるわよ」
「だから違ぇっつーの!」


 料理を全て盛り付け終わったのか、ルッスーリアが食事をのせたカートをカラカラと押してやってきた。
 喧騒に気付き、サングラスの奥の目を和ませる。


「運ぶものもたくさんあるのよ!さぁさ、あんたたちも手伝いなさいな♪」


 うげー。と誰かが言い、各々が嫌そうな顔をする中。幼子はカートへ近付き、新しい料理を物色する。背伸びしてどれを運ぼうか迷っていると、ふと視界の中に、サラダがめいいっぱい映る。驚いて顔を横に向けると、前屈みになったフランが覗きこむようにサラダの入った小皿を差し出していた。
 反対の手には別の料理が乗った大きな皿を携えている。


「これミーの席に運んでくれますかー?」


 ミーは両手がふさがっているのでー。と、言って、もう片方の手のひらに乗せた料理を軽く持ち上げるフランから、サラダを受けとる。平べったく横幅の広い皿と違って、それはお椀型で小さく、中身が零れにくくなっていた。小さな子供の手のひらでも余裕で持てる大きさだ。
 隣に並んで運びながら、フランを見上げた。


「あの、ありがとう、ございます」
「お礼をいうのはミーのほうだと思うんですけどー?ヘンですねー」


 まぁいいですけどー。と、前を向いたまま表情をかえないフランに、てくてくとついていく。
 すると、後ろからベルの怒号がふりかかった。フランはうんざりと振り返る。


「このくそカエル!てめぇ一番デカイ肉とっただろ?」
「気のせいじゃないですかー?」


 しれっと言い放ったカエルもとい後輩に、ベルはピキリと青筋をたてる。


「天才の目はごまかせねぇよ!」
「前髪で隠れて見えないですけどー」
「てめっ二度殺す!」
「文句があるならセンパイも自分でとってくればいいじゃないですかー」


 早い者勝ちですよー?とフランに言われ、ベルは暫く思案した後、自分の分をとりに向かった。どうやら彼の類い稀なる頭脳が先に自分の料理を確保する方が効率がよいと判断したようだ。












(やっぱりそっちのほうがデカイから交換しろ)
(却下しますー)
(もー!喧嘩しないのアンタたち!)











お子様たちは今日も平和です。

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あきゅろす。
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