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原作重視(骸)日記ログ



「私はきっと、必要のない人間なのよ」
「そんなことありませんよ」
「そんな嬉しそうな顔で否定されても説得力に欠けるわね」


 貴女はもっと自分に自信を持つべきですよなんてねクハッ!とか自分の台詞に自分でウケてるあたり、彼の言葉に自分を癒す力はない。


「君が思ってるようなネガティブな思考じゃないわよ」


 くわえていたストローを指で弾いたら、カランと涼しげな音をたててグラスの中を回った。


「私がね。いてもいなくても、きっと何も、変わってなかったと思うの」


 自分がいなくても、弟は家庭教師によって鍛えられていたと思うし、京子とも仲良くなれていただろう。沢山の仲間だって、できていただろう。


「私がいなくても、君は何も奪えなかったと思うわ」


 奪わせはしなかっただろう。雲雀だって、きっとこの男に最後まで好きにさせたりはしなかっただろう。そんな、ちっぽけな存在なのだ。自分は。
 一生懸命弟や弟の大切な人を守ろうと奔走しても結局彼女の力で変えられることなんて微々たるものなのだ。


「そんなことを今さら嘆いてどうするのです?」
「別に嘆いてはないけど」


 そう。今さらなのだ。

 自分がしたことが、意味のあることだったのか、とりとめのないことだったのか。比較対象が物質ではない過去の事象である以上、並列に比べることは不可能なのである。終わってしまったことに心を割くなど、それこそ無意味だ。全ては終わったこと。後の祭りというものなのだ。


「ただ、そうなんだろうなって勝手に思って納得してしまっただけなのよ」
「十分ネガティブな思考ですよ」
「そうかなぁ」
「第一自分がいなくなった後のことならともかく『自分がいなかったら』なんて考えても仕方ないでしょう」
「そうだねぇ」
「貴女はもう存在しているのですから。」


 その言葉に目を瞬いた。思わずパインな頭をじっと見つめてしまって、居心地悪そうな藍色がこちらを訝しげに見た。


「なんです?」


 自分の黒い相貌を邪見にする彼に、そっと目を伏せて笑った。


「んーん。ただ、君に慰められると思わなかったなぁと思って」
「はぁ?」


 予想通り、こころから心外だと謂わんばかりの言葉が返ってきて、声をたてて笑ってしまう。








原作重視
(私のいない世界でも貴方が笑っているのなら)







リボーンに限らず。『夢主のいない世界=原作』なわけなのですが(二次作品を除いて)。ふとこの夢主の存在意義を考えてみて、彼女の生きる指標は間違いなく綱吉なのです。しかしよくよく考えれば綱吉は原作でも笑っていて。そうすると彼女の存在する理由はないんじゃないかな(オイ)とか。もちろん管理人が彼女にして欲しいことはたくさんありますが、それはあくまで管理人の理由なので彼女の望むものとはまたちょっと違ってくると思ったのです。
何故相手役に骸を選んだかというと消去法ですね。「貴女はもう存在している」って台詞が他のキャラからはでてこなかったんです。この台詞って大切な存在に対してはなかなかでてこないんじゃないかな。彼女のことをどうでもいいと思っている骸だからこそ言わせることができた台詞でした。





掲載日(12/12/12)













今日(13/03/04)で最終巻ですが、これからもずっとずっと大好きです!

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