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輪廻転生・成り代わりの話
理の兵二人目
フッとまぶしい何かに意識が浮上した。
長い袖を引きずりながら目を擦り辺りを見渡す。
純和風の広い部屋の真ん中に寝ていたようだ。

ん?

目を擦って居た手に違和感を感じじっくりと監察する。
ふくふくとした手の平、今までの努力の結晶、マメだらけだった筈の自分の手が、まるで傷など付いた事の無い様な幼子の様な手になっていた。
慌てて起き上がるが、目線が明らかに低い。
中学生で、しかも運動部だった自分はそれなりに背も有った。
なのに!!
ぐっと手を握り締め考え込んでいると「入るぞ!」と男の声がかかり襖が開く。
「おお、起きていたか!貴様が急に倒れたと聞いて、戦を切り上げて戻ってきたのだ。何ぞ無理でもしたのか?」
口早に赤と銀の鎧兜?をつけている男が入ってきたと同時に告げてくる。
その男に心当たりが無く、また現状が理解できず黙り込んでいると、男の後ろから黒い艶やかな髪の女がひょっこり顔を出した。
「貴方…が長政様の……妹のちよちゃん……ね?」
私は市よ、貴方の義姉さまになるの、と小さく微笑むとまた男―長政の後ろに戻った。
『ねえ…さま?』
もっと訳が分からなくなっていると、長政が口を開いた。
「うむ、私はこの市と夫婦になったのだ。これからは織田の方々も貴様の義兄姉となる。その内挨拶に行こうぞ。それで祝言を挙げるために出向いたのだが、今川が戦をしかけてきてな。」
今川は悪だ!といきり立つ兄、を見てクスリと笑いが零れた。
「見て、長政様……ちよちゃんが笑った、わ。」



こんにちは、お義姉さま!

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