輪廻転生・成り代わりの話
理の兵一人目
【汝、新たな世を望むか】
眩しさを堪えながら辺りを見渡していると、お風呂で歌った時の様な、響く声が聞こえた。
【汝、今の世を捨てる覚悟はあるか】
響いて聞き取り辛い声は更に問いかけてくる。
確か俺は部活で只管ボールを追いかけて、クタクタになってやっと家に帰ってきて―
店にいる親父にただいまと声をかけ部屋に入り、夕飯までの間に一眠りしようと―
そうだ、一眠りしようと思って横になったんだ。
で、気が付いたらこの眩しい空間にいて、あの響く声を聞いていたんだ。
最近アイツらとつるむ様になってから色んな事が有って、ある程度の事じゃ動じなくなったと思っていたけれど。
【汝、戦の世に降りよ】
俺が何も答えられないでいると、声が告げる。
ちょっと待てよ!
部活の大会も近い今、他の事に現を抜かしている暇なんてねェんだ。
それに折角仲良くなったアイツらといるのが凄く楽しくて、アイツラのいない世界になんか行きたくない!
【汝、理の軍に降り戦国を統一して見せよ
何、方は汝の好きにするが良い
汝には風の力を与えよう
さあ、世界は汝を求めている、行くがよい】
待て、待ってくれ、俺は行きたくない!
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