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STORY
ROULETTE#01
「二人で作り出すこのメロディに乗せて‐」

「…音也。」

「え?なあに?トキヤ。」

「その曲は彼女が作ったのですか?」

「そうだよ!と言っても作詞したのは俺だし…2人で作ったって言うのかな?テヘヘ。」

「…それは何をイメージして詞を書いたのですか?」

「え?!イメージ?んと…それは…他のやつらには言うなよー?」

「ええ、言いませんよ。」

「七海…なんだ。」

「へえ…彼女を。」

「本当に!絶対に言うなよ!あー!恥ずかしい!」


(あんなに作詞で悩んでいたのに…彼女はこうもあっさりと音也を…)

「…キヤ!トキヤ!」

「!?」

「どうしたんだよートキヤー。さっきから呼んでるのに。」

「すみません。どうやら疲れてるみたいです。先に寝ます。」

「んー。そっかあ〜…あんまり無理するなよ?」

「ええ…おやすみなさい。」

「おやすみトキヤ。」


(無理をさせているのはあなたですよ…音也。)


そして次の日

「七海ー!!」

「どうしたんですか?一十木くん。」

「七海!!聞いて!!俺!!俺!!」

「おっ、落ち着いてください!一十木くん!」

「ごっ、ごめん七海!えっと、良いフレーズが浮かんだんだ。だから…その…放課後!2人で練習しない?」

「え!本当ですかー!もちろん放課後大丈夫です!2人で練習しましょう♪」


「へ〜…ずいぶん彼はレディと親しいようだね。」

「そりゃそうだろ〜。ペアなんだし。」

「ペア…ねえ。もう別の意味でペアだったりして。そうは思わないかい?トキヤ。」

「……。」

「え!?別の意味って…マジかよ!」

「あー!翔ちゃん発見ー!」

「ゲッ!!なっ…ふぎゅっ!!」

「翔ちゃん翔ちゃーんああ…愛しの翔ちゃん。ずーっと会いたかったですよー!」

「バッ!朝会っただろうが!てか部屋が一緒なんだから嫌でも会っちまうつーの!!」

「人前でそのような破廉恥なことをするのをやめろ四ノ宮。」

「わーん!真斗くんが僕と翔ちゃんの仲を邪魔するミルキーウェイになったー!」

「いや…むしろダムだろ。」

「そう言われると照れるぞ来栖///」

「いやいや!おかしいだろ!」

「わあ〜翔ちゃんおかしい〜

「俺じゃねえだろ!てか話ずれてないか?」

「よく気づいたね、おチビちゃん。」

「チビ言うな!」

「それで、何の話をしていたんだ?」

「音也くんと七海ちゃんがとーっても仲良しさんだということですよね?」

「何気に聞いてるんだな…。」

「2人はいつでも一緒だし、楽しそうだし、良い感じだし、お似合いだし本当に付き合ってるんじゃないかってみんなお話してましたよー。」

「やっぱりな〜。」

「トキヤ。近いうちに彼が部屋にレディを連れ込むかもしれないよ?」

「………今日はもう帰ります。それでは。」

「……。」

「おい!レン!」

「あっ、ああ。後で謝っておくよ。」

「ったく〜…レンまで行っちまった〜。龍也先生に怒られちまうよ〜。」

「複雑なんですね。」

「は?何がだよ那月。」

「いーえー。それよりクラスに戻りましょう。」

「うわ!もうこんな時間か!走るぞ!遅れたらシャレにならねえからな!」

「はい真斗くん!行きますよー!」

「…ああ。今行く。」


(神宮寺…もしかしてお前は…)



ペア…ねえ。もう別の意味でペアだったりして。

2人はいつでも一緒だし、楽しそうだし、良い感じだし、お似合いだし本当に付き合ってるんじゃないかってみんなお話してましたよー。

(私は何故このような噂などに惑わされているのだろうか…。自分の目で確かめないかぎり…私は…絶対に…)


「んでさー!トキヤが……でさー!」

「えー!そうなんですかー!」

「!?」


(まさか…この声…)

トキヤ。近いうちに彼が部屋にレディを連れ込むかもしれないよ?


ガチャッ!

「あ!トキヤーお帰りー。」

「一ノ瀬さん。お邪魔してます。」

「っ…!」

「トキヤ〜。翔から聞いたぞ〜。授業サボったんだってー?」

「えっ!そうだったんですか?一ノ瀬さん…どうかしたんですか?」

「あなたには関係ないことです!それに恋愛禁止だというのにあなたは異性の部屋に堂々と上がりこんで…。出ていってください!今すぐに!」

「ごっ、ごめんなさい…わっ、私…失礼しました!」

「あ!七海!」


「トキヤ…酷いよ。なんもあんな風に言わなくたって…。今日のトキヤ変だよ。俺、七海のとこ行ってくる。」

「勝手に…してください…。」


このときの私はただ…ただ
虚しさと罪悪感でいっぱいでした。

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