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異能審神者の憂鬱
説明会
大広間に連行された僕様ちゃん、ピンチ!………なんて、ふざけてる場合違うんよね。うんわかってた。
「主、説明」
「あー。あーゆーめんどいのは知らんうちに殺意抱いてる場合もあるから、いつでもOKよって言っただけ。心の準備?」
常に死亡フラグはMAX。ついでに神隠しフラグもね。まぁ、神隠しの方は大丈夫だろうけど。
………そーいえば、俺って怪我人なんだよね。そっと右肩に触れると、げんげんが俺の顔を覗き込んだ。
「痛むか?」
「や、最近は全然。医者も後遺症なく治るって言ってたし、大丈夫」
痕はしっかり残るそうですが、そんなん知ったこっちゃないんだわ。嫁に行く可能性は限りなく低いんだから、体に傷痕があったって気にしないし。それに、もう手遅れって感じだしね。
「俺さ、無償の愛情を注いであげるほど慈悲深くないよ?君らに関しては、返し切れてない感はたくさんあるけど」
お互いに想いを交わしあって初めて関係ができると思うんだ。それができないうちは、ただの「他人」でしかない。
「人間が1人で生きていけないのは知ってる。生きている限り誰かに迷惑をかけて、誰かと縁を結んでいくんだから。それでも俺は、人は1人で生きていくべきだと思う。だから、彼らは彼らなりに落とし所を見つけるんだろうさ」
俺ですか?いえ別に。あちらが何もやりたくないなら強制するつもりないですし。くる者拒まず去る者追わずなんで。執着してもめんどいだけだし。
「主のお話は、少々難しいですね………」
「あー………。ふんわりした理解でいいよ。他人のことを完全に理解することはできないんだから、言葉だって同じようなもんだろ」
誰も、誰かのことをすべて理解できる訳じゃないから。どれだけ言葉を尽くしたって伝わらないことの方が多い。特に今伝わりずらいなら、なおさらだろう。
そんな状態だから、「話せばわかる」とは、俺には言えない。だから新しく来た彼らが判断することについて、俺は何も言うつもりはなかった。

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