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異能審神者の憂鬱
号泣
ただ今号泣中です。こんなに酷いと思ってなかった。いやマジで。
「わあぁぁぁぁんっ!わあぁぁぁぁぁ……え、えぐっ、ぐすっ……」
「主どうしたの何があったのとりあえず泣き止んで?ね?」
「自分に出来ることがありましたら、なんなりと仰って下さい」
「主様なんで泣いてるの?泣かないでよぅ……」
「主大丈夫だ、俺達は皆ここにいる」
「………同田貫」
「ぬしさまに何をした……?」
「俺何もしてねーよ!!」
あらぬ疑いが同さんにかけられている。ちょっと待ってね、呼吸整ったら証言するから。てか燭さん落ち着け、句読点どうした。
「っ、ルナ、さん……ひっく」
「どうした、主?」
「同さ、っん、悪くな、っいから。違う、から………」
ぐすぐすとしゃくり上げながら否定する。
そして床に散らばる資料を指差した。原因はこいつだ。
「それ、ね。明後日くる刀剣の名簿………って、聞いてたんだけど、ね」
「……違ったの?」
蜻蛉さんに抱えられ、山さんに背中をさすられながら俺はうなずく。なんとか涙を止め、深呼吸をしてから一気に言った。
「確かに名簿っちゃ名簿だったんだけど、前任にどんなことをされてたのかざっくり書かれてあった。16口分」
ここまで酷いと思ってなかった。
そう呟いたらまた泣けてきた。なんでざっくりなのにこんな酷いこと書いてあんのよ。俺女の子(一応)なんだから強姦系は伏せとけよ。すごい短刀組が可哀想なんだけど。乱ちゃんのご兄弟もいて……兄君もいて……いて………。
「………本当人間がごめんなさい(だばーっ)……!」
『主のせいじゃない!!』
マジ死んで詫びますってなった。これ手首切ってる場合じゃないよ、首切るよ俺!?もう自殺願望マッハだからあぁぁぁっ!!
「もうだめだ死のう。俺が死んだら中庭の桜の下に埋めといてや………」
「なんでそういうこと言うかなあぁっ!!」
「死なないでよ主様あぁぁぁぁっ!」
「いやだって!なんでこんな酷いのよ!なんでこんなこと出来んのよ!!なんでこんなになるまでほっとくのよ!!政府馬鹿なの!?死ぬの!?マジ俺が自殺しそうだからやめろ下さいぃぃぃっ!!」
それを燭さん達も受けていたんだと思うと……首吊って死のう。ごめんねマジにごめんね、早く1人で寝れるようになるからごめんね……!今まで座椅子にしてた蜻蛉さんとか同さんとかこぎさんとかスキンシップ多くてすいません………!
「……なるほど」
ぽつりと俺の叫びを聞いていたルナさんが呟く。凄絶なほど優雅に笑った。
あらイケメン。
「政府の役人を殺せば、主は平穏に過ごせる訳だな?」
『……………あ』
「ちょっと待ちたまえ」
今物騒なセリフ聞こえたぞてめぇ。みんなも、その手があったか、みたいな顔すんな。何、僕様ちゃん君らが怖いんだけど。思考が過激になってんの?元気だねぇ、何か良いことでもあったのかい?………言ってる場合じゃない。
「ルナさん落ち着け。思考が飛んでってるぞ」
「だが事実だろう?」
「いいんだよもう諦めたから。それに、内容がショッキングだったからびっくりして泣いただけだし。……政府が説明責任果たさなかったのが悪いんだけど」
ちゃんと説明しろよ。説明と同意って大事なんだぞ介護の業界じゃ。介護事故やヒヤリハットで裁判起こされることあるんだぞ。報告・連絡・相談が大事だぞ。
俺はため息をついて、目元を拭って笑う。
「それに、何があろうど家族゙が増えるのは嬉しいことだし。彼らが抱える傷がわかったのはありがたいよ」
トラウマスイッチ押しても困るし。狂気点はいりません、SANチェックで充分です。精神分析技能はあるに越したことはないし。
ルナさんや燭さん達はぱちぱちと瞬きし、呆れたようにため息をついた。わかったかね、うむうむ。ふと燭さんが床に視線を落とし、資料を指差して笑った。
「でもこれは燃やしていいよね?」
「おkやで」
燭さんの問いに、俺は即答したのだった。

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あきゅろす。
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