トリップ小説 完結 所有権問題 春織は正座した武将達を前に腕を組む。その彼女の後ろでは、三成、元就、佐助の3人が武将達を呆れた目で見ていた。佐助は正座する武将の中に主がいるはずだし、三成に関しては尊敬する軍師と友人がいるはずなのだが、お前らそれでいいのか。 「………お説教する気にもなれないんだけど。僕君らをどうすりゃいいの」 そもそも最初の警戒心はどこ行ったんだよ武将ども。 心底から呆れた声で春織が言い放つ。ため息までつく様子に武将達がおずおずと顔を上げる。 「あの……春織ちゃん」 「何?慶次」 「怒っては……いないのかい?」 慶次のその言葉に、春織はきょとんとした顔をする。 「なぜ怒らねばならんの?」 「え?えっ……と」 「俺には好きな人がいるから、浮気するつもりはないよ。はんべさんに連れ去られるつもりもない。俺はここで生きて、ここで死ぬの。当然のことでしょ?」 あっさりと彼らの想いを無視し、春織は微笑んで見せる。ぽかんと口を開けた武将達の前で、あっでもね、と少しだけ嬉しそうに笑った。 「お父様が「魔王の娘」って言ってくれたの、 ちょっと嬉しかった」 なんか認められたみたいで嬉しかったの、 お父様ありがとう。 えへへ、と頬を染めて笑う彼女を見て、武将達は思った。 なんだこいつ可愛い。天使か。 ………お前達の頭が大丈夫か。 「そんな訳でー、責めるつもりも怒るつもりもないから、そこだけは安心していいよ」 「……待ってろ、いつか振り向かせてやる」 政宗が挑むように笑みを浮かべれば、春織は柔らかく微笑む。 「やってみなさい?1人を想い続けた年数はこっちの方が上だよ」 そもそもこんなすぐ暴力奮うような女のどこを見初めちゃったんだか。君らの目もあてにならんね。 ふぅ、とため息をついて、春織は呆れたように笑った。 政「春織はやんねぇからな」 半「それは彼女が決めることだろう?僕も諦めるつもりはないよ」 信「言っておろう、あれは魔王の娘。そう易々とくれてやるものか!」 親「海賊は欲しいもんは奪って手に入れる。 あんたの手から奪い取ってやるぜ、魔王の姫をな!!」 春「やっぱ殴っていいかな(人の意見丸無視か、いい度胸だ)」 佐「殺っちゃっていいと思うよー」 [*前へ][次へ#] [戻る] |