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審神者日記 完結
それから
まよいはとことん刀剣達に付き合った。どんな些細なことでも、どんな突拍子もないことでも。そうして月日が流れていくなかで、刀剣達の心に刻まれた傷も癒えていった。まよいと冗談を言い合い、畑仕事をして、馬の世話もする。分け隔てなく関わり合い、まよいは彼らを一人前の「人」として扱った。それが、何よりも彼らは嬉しかったのだ。
そうした日々を過ごすなかで、まよいをこのまま主に、という声が上がるのは必然だった。しかしまよい自身がそれを受け入れなかった。曰く、「君達の主は、それ相応の力と器を持った人物でなければならないから」と。「俺じゃ役不足だよ」という言葉も苦笑と共に紡がれた。彼らが納得したかと言えば、微妙なところだけれど。
「明日、審神者見習いがここに来る。君達のお眼鏡に叶えば、そのままこの本丸の主として就任してもらおうと考えている」
とある日、まよいは刀剣全員を集めてそう言った。いつも通りの穏やかな日々のなかに落とされたその言葉は、小さな波紋となったのだった。

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