*
この少年のお腹の音らしい。
聖はあるものをとりあえず全部渡し、食べるのを見ていた。
(猫……?)
ハムハムとちょっとずつ口に運んで食べていく。
そしてはた、と気づいた。
この子……可愛い。
聖の目が妖しく光る。
「お前、名前は?」
「な、まえ?」
(まさか…知らないのか?)
「ならどこから来た。家族は?」
「うにゅ……わか、ない」
身元不明。……というより人間かどうかも不明。
警察にでも渡すか、そう思って外へ連れ出そうとしたらイヤイヤと首を振った。
「捨て、るの……?」
「いや…そうじゃなくて」
「?」
(ゔ…コイツ無自覚か?)
うるんと目を潤ませて腰に抱きついてくる。俺様性欲会長と言われていた聖。このチャンスを逃す訳がない。
ということで猫?を拾った。
名前はまだない。
(……考えなければ…)
「俺は聖。お前はー……ミケでいっか」
猫だから。
ついてる耳たちは三毛猫のものではないが、それしか思いつかなかったから。
「ひ、じり?ミケ?」
「そうだ」
「んにゃっ、ミケ、聖すきっ」
(っ!?/// タチが悪い…)
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!