猫です (聖)
(雨だ)
学園に向かう車に乗りながら聖〈ヒジリ〉は思った。外は暗く、気分が下がる。
ぼけっと中に入っていくのを車からみてたら、聖は慌てて車を止めた。
(猫…?いや、人間か?)
門のすぐ脇に膝を抱えて座っている少年。……といっていいか分からない生き物。
見た目は小学生。
…そして猫耳に尻尾。
この少年を目の前にして聖は戸惑ってしまう。
「おい……なんだお前」
「ひにゃっ!?ぅ…あ……だ、ぁれ?」
(いや、お前が誰だよ…)
決して口には出さないけど。
でもこんな変な生き物に興味が湧いたのも事実。
聖は怖がる少年をつれて自分の部屋へと帰っていった。
ここは半寮制の男子校。
ホモたっぷりな生徒をまとめる会長、朝倉聖もまたバイである。だからこそあの少年に興味を持ったというのもあるのだ。
風呂に連れて行き、雨に濡れて冷えた体を温める。
体につけていたと思った耳と尻尾は本物で、少年の意に比例してうねうねと動く。
(こんなの…ありかよ……)
体というよりはその2つに目が奪われる。
ぐるるる…
「……………………」
「ぅ……に……」
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