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茜は全てを話した。ここはホモが集まる学園だってこと、タチって言うのは抱く方でネコは抱かれる方ってこと。新吾はタチのなかで一番人気のキングだってこと。(あ、僕はネコのクイーンね☆)

千佳広が余りに変な質問をするから新吾が試してみたこと。全てを話した。

「そう…だったんすか…。ってBL学園?!えっ俺AL学園に入るって…え?!」

「AL…?聞いたことないよ?」

「あ゛ー!!あんのくそばばあ!騙されたぁー!!」

「う…うるさい」

なんと千佳広は母親の策略によってBL学園に入学してしまったのだ。

「取りあえずさ、新吾のこと悪く思わないであげて?」

「う…はぃ…」

茜のとびっきりのスマイル付きで言われたら否定なんてできないだろう。千佳広は"取りあえず"謝るために新吾のもとへ向かった。



この俺が、キングとまで呼ばれた俺がキモいだと…?

茜と千佳広が話し合っている頃新吾は呆然としながら生徒会室に向かっていた。いくら相手がノンケだったとは言え、今まで嫌われた事の無かった新吾は、人生で一番と言っていいほどのショックを受けていた。

生徒会室につき、イスにすわりただぼーっとしていると部屋の戸が開いた。

「あ…福山先輩?」

中に入ってきて遠慮がちに話しかけてきたのは千佳広だった。

「お前…あ…さっきのことだけどな、「ごめん!!」

俺が謝ろうとすると先に千佳広が謝ってきた。ビックリしていると目を潤ませながら俺を見上げ、

「俺…この学園のこと知らなくてさ、あんなこと言っちゃって…。傷ついたよな、本当にごめん」

と謝ってきた。俺が勝手にキスしたのに、俺が傷つけたはずなのに、目の前にいる千佳広は一生懸命謝ってくる。

俺はなんて情けないのだろう。いつでも自分の思った通りにいくと勘違いをしていたのか。当然千佳広も手にはいると思っていた自分が情けない。

「…福山先輩?あのっ、」

「っあ、いや、俺の方こそ悪かったな。男とキスなんて嫌だったろう…」

「まぁ…はい」

ああ…千佳広は正直者なんだな。思ったことはきちんと伝えてくれる。俺は…何でもいいから正直に言ったことがあっただろうか?……ない、な。ヤッテル姿しか出て来ない。

「さ、仲直り出来たみたいだね☆そしたら握手握手vV」

茜が俺の手と千佳広の手を取り無理やり握らせた。

小さい。それが握った瞬間に思った事だ。千佳広は茜とも笑いながら握手をしている。その笑顔が魅力的で、ずっとみていたいと思った。

ああ…そうか。俺は初めて本気で人を好きになってしまったようだ。そう思えば思うほど千佳広が愛おしくなってくる。自分の間違いを気付かせてくれた人。

「福山先輩?どうしたんですか、止まっちゃって」

なんて言ってのぞき込んでくる。そんな姿もとても愛おしくて、今すぐにでも押し倒したくなる。でも、それはしてはいけない。また本気で泣かせてしまう、嫌われてしまう。それだけは避けなくては。

「いや…。なぁ千佳広。なぜ俺のことは名前で呼んでくれない?」

「え…言われてないから」

また正直に。確かに言ってないけどよ。

「じゃあ下の名前で呼べ」

「命令形かよ、新吾」

呆れながらも"新吾"と呼んでくれた。可愛らしい声で。



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あきゅろす。
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