10
「僕、行かなきゃ」
「俺、お前のことずっと好きだから!!」
「うん…」
「手紙、書くから」
「うん…」
「また、会えるから…」
「う、んぅっ!?」
僕が返事をしようとしたらまこっちゃんの顔が目の前にあって、キス、された。
ママたちには見えないように、触れるだけの優しい、甘いキス。
「約束のしるし、な」
「まこっ、ちゃ…」
「ほら行けよ。おばさん待ってるよ」
まだ言いたいことあったのに。まこっちゃんが僕の背中を押したんだ。そして振り返ったときにはもう、走り出していた。まこっちゃん、足速いから、すぐにいなくなっちゃった…。
「最後に誠君に会えてよかったわね」
「うぅ…っ…」
「…ごめんね、親の都合で…」
「っ…うわぁあんっ!!まこっちゃ、まこっちゃ、ん!!」
それから空港につくまで僕はずっと泣いていた。ママとパパは何も言わずに頭を撫でてくれて。そのせいでまたいっぱい泣いた。
「ふぇっ…まこっちゃん…」
「幸一…迎えに行くから、待ってろよ…」
end…。
切甘目指してみました。
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