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な、なんだ今の寒気が…!
最後の一言だけ、耳元で小さく囁いてきた。なんでそんなこと…俺、こいつに目ぇつけられた?いけ好かない容姿して、不良?
女子が羨ましいとかいってるけど、それどころじゃない気が…うん、気のせいだ気のせい。忘れよ。
◆
案の定、あいつの周りには女子が集まった。悔しい、1人くらい寄越せってんだ。
でもあいつは、その女子たちに興味がないのかちょっとごめんねーなんていいながら、輪の中から出てきて。
そして。
「千佳広、トイレいきたいんだけど、どこにあるんだ?」
「は?なんで俺に…」
「俺、千佳広と仲良くしたいんだよね。茜って呼んでよ」
「…っ、トイレだろ!?連れてくからあとは女子の相手でもしてろよっ」
「そんな冷たいこといわないでよ。…女みたいな可愛い顔してさぁ、チンコついてんのか?千佳広チャーン」
「ああ゙?!…っ、…?」
あ…何だろう、今の言い方、デジャヴ。そんなムカつくこといわれたことない。
いや、可愛いとかはウザいけどよくいわれてた…けど、あんな、下品な言い方。
むしろ、俺がいった覚えが…?
何かを思い出しそうになりながらも、休み時間もあと少しだからと森山をトイレに連れて行く。
そのまま、俺は先に帰ろうとしたんだけど。
――グイッ、ガチャ!
「っ、な、なにすんだテメェ!おいっ、どけっ」
「口は "昔より" 悪くなったね、千佳広くん」
「は?…む、かしって…」
「あれ、まだ思い出してくれてないんだ?俺は千佳広のこと、忘れたことなんてなかったのになぁ」
ヒドいな、アレだけのことをしておきながら。森山は、クスクスと笑いながらそういって、俺をトイレの個室のドアに押しつけてきた。
くっ…こいつ俺より10cm以上も高い…滅べイケメン縮めイケメン!
「俺はお前なんて知らないんだよっ、離せ変態野郎!」
「ヤメテ、…って俺何回もいったのに、千佳広は聞いてくんなかったね」
「は?…いつ、の、こと…」
「小学生のとき。小5から小6の、夏まで」
「…しょ、がくせ…ぁ、あ…チビで泣き虫の茜か!?」
「今はもうチビじゃないけどね」
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