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「…誰、スか…まさか、いや…んなわけねぇよな…?」


『今日…君を見舞いにこようとした千佳広君が、事故にあって…脳死と判断された』


「っ――!?」


『彼の持ち物にあのカードがあってね。心臓はもちろん、全部にチェックを入れてあったよ』



嘘…嘘だろ?
千佳広が、脳死?
え、何いってんだコイツ。

そんなわけねぇよ。
あいつは、きっといつも通りドアを開けて、悲しそうな顔を隠して俺に笑顔を見せてくれるんだ。
そうだ、今日は少し遅れているだけで…。



『…千佳広君のご両親も、ドナー登録に納得しているらしい。だから、明後日、手術をするよ』


「い、嫌だ…ムリだ、チカが脳死?んなわけねぇ、目ぇ覚ますかもしれねぇだろっ!…っ、ゲホッ」


『っ、興奮してはダメだ!それに、千佳広君もそう望んでるだろう…っ』


「俺が望んでねぇよ!…はっ、信じたくねぇんだよ…チカが死んだなんて…」



それに千佳広の心臓を貰ったとこで、もう俺は千佳広に会えねぇじゃねぇか!
俺の中にいる?んなこと思えるわけねぇだろ。触れることも、喋ることも何も出来ねぇ…っ!

とにかく確かめないと、気が済まない。俺は先生の静止を振り切って、とにかく走った。


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