4
あれからまた日はすぎて、もうすぐ卒業、という時期になった。だが俺の調子はあまりよくなく、また入院をせざるを得なくなって。
つっても、千佳広がきてくれるから寂しくはねぇんだ。
ただ心配させちまうのがな…。
「…今日は遅いな…」
今までどんな遅くても昼の時間にはきてたんだが。なんだか嫌な予感がして、心臓がズキリと痛んだ。
そしてそれは、まさに現実となって俺へ突きつけられることになる。
『新吾君、急ですが明後日、手術をすることになりました』
「……へ?」
『臓器が見つかりましたので急ですが、今からそのときまで外へ出歩かないようお願いします』
「ま、マジッスか!?っ…やった、あの、せめてチカに連絡だけでも…!」
『そ、それは…』
両親へは病院から連絡がいくだろう。でも、千佳広にはいかない。それに俺の口からいいたかった。
だから連絡してから安静にしてくれないか頼んだんだ。
けど、医者は口ごもって、顔を青くした。なんだ…?なぜ、口ごもる。
「先、生…?」
『っ…申し訳ない。本当は臓器提供者が誰かなんていっちゃいけないんだが…』
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!