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心臓病余命残り少し(新吾)×健気(千佳広)
攻め視点
心臓病を患って早15年。
俺は幾度とない手術や入退院を繰り返し、18まで生きてきた。だが告げられていた余命はどんどん削られ、あと残すこと2年。
死ぬ。
分かっていたが、それでも俺は普通の生活を手放せなかった。そんな俺に同情してか、共学ではないが学校へ通わせてくれ、そして…恋も、した。
もちろん相手は男だ。
だが可愛らしく、学園の中でも人気の高いやつ。かくいう俺も『守ってあげたい』だとかで人気はあるらしい。
よって、誰も俺たちの邪魔をすることなく燃えるような恋を、千佳広としてきた。
「……ゃっ、いやぁああ!」
「っ、チカ――!?」
千佳広の声だ。またか…!
保健室へいった帰り、人気のない方から響いてきた千佳広の声。
ズクン、と心臓が痛んだ。
けれどここで立ち止まっていたら、俺はもっと後悔する。
走るな、といわれているのを無視して声のする方へ走った。
こういうとき、貧弱な体が恨めしい…っ。
「はっ、…はっ、チ、カ…!」
「っ…し、新吾ぉ…っ!」
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