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「チカ!…っ、離せ、ひゅ…っ、俺のチカに何して、んだっ」


『チッ、王子のご登場かよ』



ヤバい息苦しい。
息をすると変な音がする。
それでも立ち止まることは許されなかった。あいつら、チカの服剥いで上にのしかかってやがったんだ…!

カッと頭に血がのぼり、チカを押さえつけていた男に殴りかかる。でもんなスピードも力もなかったそれは簡単に避けられ、蹴られて転んでしまった。

もう一度立ち上がり、つかみかかる。くそっ、こんな体じゃなきゃ…!



「ゲホッ、…っ、チカが汚れ、だろ。離せ…」


『チッ、しぶといな…』


「はっ、はぁ…っ!チカ、チカ…ッ」


「や、やめて!新吾やめて…っ、死んじゃうよぉ…っ」



目の前が白く霞んできた。
体が異常に震える。
そんな俺を見て、あいつらはヤバいと思ったのか逃げていった。

ふわり、とチカに優しく抱き締められる。…俺が、してやんなきゃいけねぇのに。



「チ、カ…大丈夫か?っく…怖かったな?ない、泣いていいんだぞ?」


「っ…怖かったよ!凄くっ…でも、あんなことよりも新吾が死ぬかもしれない方がずっと怖いっ!」


「…チカ…」



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