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すいませーん、とかいって俺に寄ってくる彼。

冷静、冷静。
まずは帽子を…って、うわどうしよう毛がついてる。
触りてぇ…。



「あの、拾ってくれてありがとうございました」


「あ、あぁ…ちょっと待ってな」



パンパン、とついた砂を払うフリをして、毛をつまむ。
瞬間、俺の全身を電気がビビッと流れた。


ヤバい、なんだコイツの髪。
持っただけですげぇ良質なのが分かって、一気に興奮してきた。

でもここじゃさすがに触ると変態チックになりそうで、怪訝そうに見てくる彼の腕を掴んで校舎裏まで引っ張ってきた。



「いって、何なんだよアンタ!」


「ごめん。でももう我慢出来ないんだ…っ」


「はぁ…?っ、まさかアンタ、ほ「髪を触らしてくれ!」…へ?」


「少しでいいんだ。君の髪を触ってみたいっ」



正直にいってやった。
でも彼は綺麗な顔を真っ青に染めて、首を横へ振った。

なぜだ?
早急すぎたか?


と思ったが、少し違う。
"髪は" ダメといった。
他はいいのかって話だ。

でもスマン、俺もう我慢出来ない。



諦めるフリをして、一緒の隙をついて手で撫でてみた。



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