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『…チッ、毛フェチが…』


「毛を舐めんなよ。…いや、舐めて口の中で転がすのもなかなかいいぞ」


『うぜぇやるなよ』


「さすがにやんねーよ」



それをやるのは恋人にだけって決めてんだ。まぁその恋人を選ぶ基準に、『良質な毛』ってのも含まれてるけど。

最近はダメだ。
カラーリングやらパーマやら、髪を痛めつけることしかしてないんだから。



俺は、毛フェチというやつだ。
毛が好きだ。
友人のように太めの毛もいいが、俺としては絹のように手触りのいい細くて繊細な髪が好み。

それをいったら髪に繊細もなにもあるか、ってコイツに全否定されたけどな。


ふん、分からず屋め。
あー…俺今まで男でも女でも気になったやつの髪って全部見てきたんだけどさ、その帽子をかぶった彼、彼の髪の毛がすげぇ気になる。

なんとかして接触を図って、抜け毛でいいから触ってみてぇなぁ…。







――ビュオッ


「うわ、わ…っ!」


「え…?」



……やべ、チャンス、きた。


いや別にマジでストーカーしてたわけじゃねぇよ?
ただ校門すぎたらその先に彼がいて、たまたま強い風が吹いて帽子が俺の前まで飛んできたの。


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あきゅろす。
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