2 『喰いはしない。…人間が私らを楽しませてくれたらな』 「っ…た、楽しま、せる…?」 『そうじゃ、あれをしてみろ、おなにー、じゃったか?』 『せっくすの1人のやつだよっ』 「な…!?お、俺は男だぞっ!」 冗談じゃない! …でも…もしこれらが本物なら、いうことを聞かないと俺は…そう思いながらもあたりを見回して、体が震えた。 あれは人だ、人の骨だ。 『私らは性別なんてどうでもいいのだよ。美しいものならなんでも。特に人間、お前は美しい…さぁ、楽しませてくれ』 「ひっ…やだ、嫌だ…死にたく、ないっ」 『ならばするがいい。楽しませてくれたら、殺さぬと約束しよう』 「っ…分か、りました…」 美しい人間…確かに中性的だとよくいわれていたけど…そんな顔のせいで俺はこんなことに! けど、生きて帰るためにはするしかない。幸い相手は妖怪だ、人じゃないだけマシ…。 そう思っていた。 だがそれ以前に、こんな状況で起つわけがなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |