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─ズキッ。
「そ、う…」
ああ最悪だ。なぜ今こんな事を聞かなきゃいけないんだろう。てかイケるかもって何?意味わかんない。…痛いよ。ねぇまこっちゃん、心が凄く痛いよっ。
「いつかさぁ、Wデートとかしてみてぇよなぁ」
僕が俯いているとまこっちゃんがこう言ってきた。W、デート…?誰と誰で…?まこっちゃんの横には僕じゃない人がいるのを、見てろって…?
「…いい加減にしてよ」
「…ん?何だって?」
「もう、懲り懲りだ!!人の気も知らないでっ」
そんな違う人の事ばっかり考えているまこっちゃんは嫌いだ。僕の勝手な嫉妬かもしれないけど、でも嫌なんだ。
僕はまこっちゃんを押しのけて、その場から走り去った。走って走って走って。気付いたら家の前。ここまできたら仕方ないので、息を整え中に入った。
「ただいまーってあれ?パパ…?」
いつもならママの靴しかない玄関に、今日は珍しくパパの靴があった。
この綺麗に磨き上げられた革靴から分かるように、僕のパパはサラリーマン。それも結構いい会社に就職している。最近は帰りが遅いこともあり、全く顔を見ていない。
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