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「えー何だそれ!臭いのはヤダけどそれで死ぬわけないだろぉ」
「……じゃ、十字架は」
「ぷぷっ、あれ笑える!おれたちのベッドにはキレイについてるのに、そう思ってるんだろ?人間ってバカだよなぁ!」
……そういや、棺桶によく十字架ついてるよな。今更ながらこんなガキに矛盾を指摘され、ちょっとムカついた。
つか、ニンニクも効かねぇなら何が弱点なんだ。他は…、
「白の杭に、銀の銃弾…だったか…?」
「っ…そそ、それが何だってい、いうんだよっ」
「……図星か。へぇ、それはマジってことか」
「し、知らねーもん!ヤダヤダ!おれはまだ死にたくないのっ」
昔からの言い伝えも、嘘ばかりじゃなかったっつーことだな。
いきなり殺さないでと暴れ出したガキを今一度押さえつけ、少し尖った耳に口を寄せて大人しくしろと囁く。
ピタリと止まる体に、ついでゴクリとなる喉の音。
ああ、あの噛み跡が目の前にきてんのか。
「飲みてぇか、俺の血…」
「ぅ…おれは食いしん坊じゃないもん!」
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