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「むっ、ごっこじゃないもん!おれはドラキュラ界の王子様なのっ。今はパパからの試験中なのーっ」

「パパァ?試験だぁ?」

「へへん。パパはね、ドラキュラの中で一番偉いんだっ。おれはパパを尊敬してるから、早くあとを継ぐために人間のエサを捕まえにきたんだっ」



腰に手をあて、エッヘンと。
いやいや、意味分かんねーよ。

……でも、ここまでくると少しだが真実味が湧いてくる。
だってよ、そこまで嘘を突き通す必要もねぇだろ?


だからちょっと挑発してみた。
……証拠を見せろ、と。



「うーん…だったら、お前の血を飲ませろっ」

「はっ、いーぜ?」

「えっ、ホント?わ…お、おれ、ホントは自分で吸うのは初めてなんだ…っ…い、いただきます!」


──カプッ、…ちぅ



………あー…まぁ、いてぇな。

目を輝かせたチビは、差し出した俺の肩に躊躇なく噛みついてきやがった。
小さく、まだそれほど尖ってなかったとはいえ、皮膚が破けてキバが刺さるのはいてぇ。

しかもコイツ、ちぅちぅと音をたてながらホントに吸い付いてきやがった。



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