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「へーへー分かりましたよ。…んじゃ、俺はもう行くぜ」
「あっ、だめー!お前はおれのエサになるの!行かせないもんっ」
「はぁあ゙!?」
「ヤダヤダヤダーッ!お前がいいっ。おれはお前の血が欲しいのーっ」
「お、おいテメェ黙れ!……チッ」
ガキのせいでここらの家の奴らが何事かと外を窺い始めた。
このままじゃ俺が通報されかねないため、腰に纏わりつくガキを連れ、一旦家に戻った。
電気の明かりの下で初めてよく見たソイツは、お世辞にも普通のガキとはいえなかった。
黒い子供スーツのようなもんの上に羽織った、これまた黒いマント。
目は金色で、閉じていても赤い唇からちょこんと飛び出ているキバが印象的だ。
見た目10歳っつーのは正しいだろう。金の瞳はまだ大きくクリンとしていて、白い肌に黒のテンパの髪はよく映えてる。
まぁ…女みてぇなガキっつーことだ。
「なんだーやっと飲ませてくれる気になったのかー」
「ちげぇよ。ドラキュラごっこもいい加減にしろ」
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