[携帯モード] [URL送信]

「………はぁ?」

「ふふん。おれが特別にお前をエサにしてやろう!」

「何ほざいてやがる…ガキはお家に帰んな」

「が、ガキ扱いするなーっ!おれはもう立派にキバもはえてるんだぞっ」

「………キバ?」



どうしてそんな発想になるんだと、ついソイツを振り返ってしまった。
そしたらどうだ、そのガキはイッと白い歯を俺に見せてるじゃねぇか。

普通の歯だろ、とは思ったが妙な好奇心に駆られ、街灯の下に行くよういってみた。
素直に行くあたり、ガキだ。



「ほら見ろ!おれ、もう自分で血も吸えるんだぞっ」

「……んだ、これ…取れねぇな。最近の変装グッズはすげぇな」

「いひゃい!ほ、本物だってばーっ」

「んなわけあるか。人間、いくら犬歯が出ててもこんなんにはなんねぇんだよ」

「おれは人間なんて下等な生き物じゃないもん!ドラキュラだっ」



しかも王子なんだぞ!
と、ちいせぇ胸を張って威張るガキに一瞬呆けた俺はバカだ。

はは、ガキの戯言に付き合うなんて、マジバカだ。
第一吸血鬼なんて、本の中の生きもんだろ。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!