一目惚れ
※出逢い/Hなし/一樹視点
春樹は俺の恋人だ。
ちっさくて目がクリクリしてて、いつも元気で。すっげぇ可愛いの。俺の完全な一目惚れ。
……だけど、春樹は男だったんだ。
◆
『おい、何やってんだそんな所で』
「や、別に」
最近俺には気になってる奴がいる。2つ横のクラスの奴だ。よく分かんねぇけどいつも頭の中にはソイツの顔が浮かんできて、知らない間にクラスまで見にきてる。
今もそうだ。
運悪く友達に見つかったけど、声をかけられなければチャイムが鳴るまでここにいたはず。
……俺は一体どうしたのだろうか。
◆
『ねぇ一樹くん、私と付き合って?』
放課後の呼び出し、たまにあることだ。目の前にいる奴も可愛いんだけど…どこか違う。
こう…作った可愛さっていうのか?アイツとは比べものにならないくらいヒドい。
「ごめん」
『何で…?』
「何で?なんでっていわれてもな…」
『他に好きな子がいるの?』
そういわれて違うと否定しようとした。けどそのまえにアイツの顔が浮かんできたんだ。
だからこのときに気がついた。アイツが好きなんだ、と。
男なのに男を好きになったんだ、と。
そう思ったらもうアイツ以外見えなくなった。そこだけキラキラ光っていて、他の奴と話してるのが気にくわなくて。
……だけど、俺、アイツの名前すら知らない。
いつも見てるだけで何も知らない。アイツも俺のことを知らない。一度会ったことはあるけど、覚えているだろうか?
俺は…俺は……おれ、は…。
◆
今日、話しかけてみようと思う。じゃなきゃ何も始まんねーし、男同士だから変ではない…はず。
ナンパだ、ナンパだと思え俺!!…って出てきたー!?
「わっ!?あ、の…通りたいんですけど…」
「あ、えっと…少し話したいんだけど、いい?」
「え、僕?」
「そう」
「んーいいよ」
誘い出し成功!
そのまま人からちょっと離れた所で話すことにした。
……近くで見るともっと可愛い。上目遣いだし、これは本当に男かって思う。
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