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北浦はホッと息を吐き出し、まだ怯え震えている子へ大丈夫だよ、と声をかけていく。
『あ、ありがと、ございました…』
「今はああいうバカが増えてるから気をつけてね」
『っ…か、神風様たちが謹慎中だから、ですか…?どうなっちゃうんですか?この学園は…』
「…もし、本当にあのお二人が風紀を失脚されてしまったら、さっきみたいなことが増えて、助けの間に合わない被害も出てくるだろうね」
『そんな…!や、やですっ、神風様たちのおかげで平穏に過ごせてるなら、戻ってきてほしいです!』
切実な願い。
特に小柄な生徒はよく狙われるため、それに目を光らせてくれていた蛍たちがいなくなると、一番困るのだろう。
その切実な願い、生徒の本当の声を聞き、北浦は少しだけ目を輝かせた。
「もう一度いって!ううん、その気持ちを、風紀のメールに送ってくれないかなっ?」
『え、え…?』
「君だけじゃなくて、本当にそう思ってくれてる人にも伝えてほしいの。僕は、あのお二人がこのまま風紀を辞めてしまうのは納得出来ないから」
だから、その勇気あるメールは必ず風紀の力になるはず。
そう北浦がいえば、その子は力強く頷いた。
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