2 雷汰は、昨夜聞いたことをありのまま話した。中には乱れる蛍を想像し顔を赤くする者もいたが、話し終えるころにはみんな神妙な顔つきになっていて。 …けれど、決して気持ち悪いと思うような隊員も、いなくて。 『お可哀想…』 『媚薬なんて使われたら、それこそ理性なんてなくなるよねっ』 『むしろ今までそれを気づかせなかったことが凄いよな!』 『ああ、お二人は恋人なんだし今更驚くことでもない。むしろ…福山先輩のいった通り、近くに感じました』 何もかもが完璧で、別格だ、女神だと思っていた人の人間らしい弱点。 それは気持ち悪いどころかなんだか蛍を身近に感じられ、みんなはその事実をすんなりと受け入れることが出来た。 見かけだけで近づいた人たちじゃないからこそ、雷汰が選んだ人たちだからこそ、ここまですんなりと受け入れられたのだろうが。 「サンキューな。蛍も喜ぶと思うわ」 「だとしたら光栄です!では神風様のことはよしとして、…生徒会について、ですね、総括」 「ああ、武蔵から、この話を進めてくれって了承はもらった」 ――ザワッ 「青桐様がっ?ならもう決定です。僕は、生徒会をリコールします」 「俺も俺もぉ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |