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いや、夕のためにも止めようとは思うが、それでも性分というか何なのか。
特に芹たちのことでイラつきが増している今、余計ケンカしたい衝動に駆られているのだ。

それを拳を握り締めることでなんとか抑えつつ、直志は風紀室の前までやってきた。
もう無理だ、助けを求めるしかない。



「失礼しまぁーす」


「花笠くんじゃないですか。今から伺おうかと思ってたんですよ」


「あー…きても幻滅するだけッスよ」


「…あ?」


「もう無理、俺だけじゃどうにもなんねぇッス。力貸して下さい、神風先輩」



ふざけることなく、うなだれるように頭を下げた直志にみんなが目を丸くする。

そして詳しい話を聞かずとも理解する。また、仕事を放棄して遊びほうけているのだと。



「…いつからですか?」


「2・3日前から…声かけても聞く耳持たねぇんスよ」


「はぁ…若松たちは何を考えてるんでしょう」


「だぁーい好きな吉川のことだけっしょー?最低だな、ほんとに」


「その芹が、学園祭なんかどうでもいー、みてぇなこと言い出してて、それで…」



誰が注意しても同じかもしれないが、特に年下で裏切り者扱いされている直志のいうことなど絶対に聞くことはないだろう。


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