3 困ったように、それでも一口一口食べ進めていく蛍を一瞥しつつ、ギャアギャアうるさい集団をチラリと確認すると…。 「あーっ!あんたっ、この前の!」 「「えっ、セリリン?」」 「せ、りっ」 「…最悪だ、見つかった」 目が合ってしまった、それも、3人に囲まれていたはずの芹と。芹は武蔵を見つけた瞬間指をさして大声を出し、こちらに向かって走ってきた。 双子と元気が慌ててあとを追ってくる。そして蛍たちに気づいた双子は、んげ、と顔をしかめてきた。 「風紀は生徒会の敵だよぉ?」 「いこうよぉセリリン」 「「ねっ?」」 「そんなこというなよ!なあっ!名前、教えてくれよ!!あっ、ここで一緒に食べていいよな!?うわぁ…ほんとかっこいいなっ」 「あ゙?勝手に座んな。それに名前ならもういっただろ」 「下の名前だってば!俺ら友達だろっ!?教えろよ!」 4人掛けの席。 向かい合って座っていたために互いの横は空いていて、芹はそこに勝手に腰掛け体を寄せてきた。ググ、と蛍の眉間にシワが寄るが、それ以上にキレそうなのは武蔵で。 そして元気も引き剥がそうと後ろから抱きついて、自分の方へ芹を寄せた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |