月に一度の 「蛍!明後日のことだけど…」 「ああ…それは今する話しじゃないでしょう?」 「まー堅いこというなって。どうせ武蔵見てるだけなんだろ?」 「っ…雷汰、やめて下さいよ、もう…」 カ、と目元を赤くして恥ずかしそうに目線をそらす蛍に、雷汰は苦笑を浮かべた。 今は体育の時間。 バスケをしているのだが、武蔵は試合中で蛍と雷汰は審判なのだ。ずっと見ていた、武蔵を。みんなが気づいていて何もいわなかったことを、友人である雷汰は軽い調子で指摘する。 そのときの反応はいつも可愛らしいもので、クラスメートはそれを密かに楽しみにしている者もいた。 「そ、それで話しとは?」 「今する話しじゃねぇみたいだし、またあとでいいや」 「もういいですよ。詳しいことが決まったんですね?」 「おー、いつものとこに2時で頼む」 「分かりました。今回が初参加になる三和くんは雷汰に任せましたよ」 蛍のそれに、雷汰はもちろんと頷く。輝にはその日のことは既に伝えてあり、武蔵には蛍から伝わることだろう。 2時からなら午前中は仕事が出来るな…なんて学生らしからぬことを考えつつ、蛍はまたシュートを決めた武蔵をジッと見つめた。 [次へ#] [戻る] |