15 差し出してきた手に手を出して握手を交わすと、弘樹はジロジロと俺を見てきた。 あ、でもヤな感じはしない。 ほんとにただ見てるだけなのが、その無邪気そうな無垢そうな目から伝わってくる。 だから俺も、遠慮なく弘樹を見た。 黒だけど、どこかちょっと茶色いショートの髪。背は俺くらい…ちょっとだけ高いかな。 別に細くも太くもなく、ほんとにどこにでもいそうな、元気のいい人。 んん…俺がネコ? や、攻めるのもアリ? 「とりあえず部屋いくか。2人部屋っつっても中で個室に分かれてんだぜ」 「そーなんだ?てっきり同じ部屋かと思ってた」 「はは。前のやつ転校してからずっと1人だったから、俺すげー楽しみにしてたんだ。あ、ゲームとか好きか?」 「まぁ、するかな。ゲームあるの?ね、俺にも教えてよ…」 寮に向かいながら世間話しつつ、ちょーっと甘えた声を出してみたの、 反応見るために? そしたらね、顔真っ赤にして慌てだすんだもん。かーわい、これなら俺が攻めてもイケるかも。 「弘樹…」 ――スル…ッ 「っ…わぁああ!/// 待て、待て待て、柚鶴はそっち系なのか!?」 「そっちって…どっち?」 「そ、の、男もイケるの、か?編入生なのに」 [*前へ][次へ#] [戻る] |