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「住所と地図は覚えてるか?」


「うん、完璧よ」


「よし、まずは東京へ向かおう」



指令書を外へ持ち出すことは許されない。だから組織内で完璧に覚え、足りない部分は自分たちで補わなきゃいけないんだ。

そういうことは春蘭の役目。
…それくらいしか出来ないからと、いってたけど…。


とにかく東京へいき、そこからさらに中へ入っていく。
普通の街。
人々が行き交って、楽しそうに話してる。

羨ましいな…。



「雷鳴、こっちみたい」


「ああ。…急に人通りがなくなったな…」


「うん…あ、あそこ。あのボロ屋の2階よ」



細い裏道から入って角をたくさん曲がって見えた家。
ボロい。そこの主人を殺せばいいのか。


日も暗くなったし、ちょうどいい。さっさと終わらせて少しでも日本を満喫しよう。
そう思って、春蘭を俺の後ろにつかせ、静かに階段をのぼった。

…ターゲットは中国人か。
まずドアの札を見てそう思った。それから耳をつけて確認する。
声…1、2…3つ。
渋い男の声もした、それがターゲットだろう。



――コク、


春蘭に頷いて合図を送り、銃を取り出してチャイムを押した。
ハーイ、と女の声がする。



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あきゅろす。
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