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「日本かぁー…平和な国、なんだよねぇ」


「春蘭は日本が好きだったな」


「うん!…日本人に生まれてればなぁ…」



落ち込む春蘭…双子の妹の頭を撫でる。

俺たちは、幼いころからこの組織にいる。小さいころのことだから覚えてないけど、確かそのはずだ。

だから、外の常識なんて知らない。殺すことが当たり前になった。
でも…それでも入ってくる外部の情報から、俺たちは間違った存在だということを知った。


殺しはしたくない。
でもそれは、許されない。
俺たちが殺されてしまう。
俺は…もういい。
でも、春蘭だけはダメだ。
俺の、唯一の宝物。



「ねぇ雷鳴、今回はこの住所だけ?」


「みたいだな。写真がなきゃ本人か確かめられないな…」


「あのタヌキオヤジ、それで違う人殺させるの目的だったりして!」


「シッ!…誰か聞いてたらどうするんだ」



今は部屋の中だけど、何があってもおかしくないとこだから。


俺らの名前は、ここに連れてこられたとき、唯一持っていたもの。
だから番号をつけられてそれで呼ばれたときも、二つ名がつけられたときも、互いにこの名前で呼び合うようにしている。

悲しくはない。
でも、ツラいから…早く解放されたい…。


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