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この組織のNo.2、Twin Forine Angel。特別2人組の堕天使。見た目が、こんな組織にそぐわないほど美しいからとついた名前だ。
だが落ちた天使。
彼らの手は、もう、洗い落とせないほど血まみれになってしまっている。
『場所は日本。この住所に住む者を殺せ。依頼は父親だけだが、好きにしてくれて構わない』
「はい」
『タイムリミットは移動も踏まえて2日。帰ってきたら私に報告にくるように』
「っ…イエッサ、ボス」
男の目は、青年をとらえて離さなかった。女には目もくれず、どこか妖しい光を放ち舐めまわすように見つめてくる男に、青年は体を震わし、女を連れてさっさと部屋を出た。
パタンとドアが閉まり、男はこらえていた笑いを、クツクツと溢れさす。
『君の信条が守れるか、見物だな…My Angel…』
信条。
例えば彼なら、ターゲットだけを殺すというもの。
だがそれが破られるかもしれない、そんな依頼を、彼らにやらせることにした。
なんてことない、この男の道楽のため。
さぁ、もっともっと、深い闇へ堕ちてくるがいい。
Forine Angel――。
* * *
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