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つかテメェがつえぇとは誰も思ってねぇよ、とヒスイはニヤニヤしながらキツい一言をフローに浴びせた。
まぁ…女の子にしては強い方だけど、チームの中では微妙だろうな。
単調な攻撃しかしてこないし、俺じゃなくてもこれ、避けられると思う。
『っ…うぜぇうぜぇうぜぇ!それでもあたしはアクアに認められた幹部なんだよ!』
『おーおー女の嫉妬はこぇーなぁ』
「…ぃ、ヒスイ!赤獅子がいったぞ…っ」
『は?』
『ひ、…ぅ゙あ゙っ!!』
「…うわぁ…」
思わず素で呟いてしまった。
いやだって、殴りかかってくるフローの手を掴んで止めようと構えてたら、急に横からアクアの声がして。
え、と思ったときにはもう赤い髪が俺の前を横切って、フローを蹴り飛ばしていた。
女の子にも容赦しないんだな…赤獅子は…。
「いつもいつもオレらの金蝶に八つ当たってんじゃねーよっ!!」
――ドゴォッ!
『ヒュー♪ が ん め ん』
『っ…い゙…りえな、女の顔殴るとかどういう神経してんの!?』
「…はっ、それ承知でチームに入ってんだろ?だったらオレは女でも容赦しねぇ!」
ドーン!とフローの上に跨がりながら宣言する赤獅子…だけど、赤獅子もまた顔を少し腫らした女の子のようにしか見えない…。
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