２３
「ジャーン！春蘭特製金蝶ウィッグーッ」
「うわぁあ！…って、カツラ？」
「んもーウィッグっていってよぉ。これ、雷鳴のために作ったのよ」
「俺のため？ありがとう春蘭」
人の頭が目の前に現れた、と思ってちょっと驚いたけど。
すぐその後ろから春蘭の顔が覗いて、あ、カツラか、って。
だって春蘭の髪、黒のままだったし。
でもそうか、そうだよなー俺髪切っちゃったから、染めるだけじゃダメなんだ。
「触ってみてよ」
「ああ…え、…ん？」
「ふふ、雷鳴の髪と手触り一緒でしょ？」
「一緒、だ…まさか本物？」
「違うわよ。似せて作ったの。少し時間かかっちゃったけどね」
休み入る前から、このときのためにって作ってくれていたらしい。
もうなんだろう…天才、としかいいようがないような…。
「しかも！簡単にとれないよう設計済みよっ」
「…ありがとう春蘭。やっぱ、凄いな春蘭は」
「っ…お、お世辞はいいのよっ。それより、つけてみて？」
「ん。前…はこっちか」
とりあえず頭に乗せてみた。
そのあとは春蘭がゴチャゴチャといじって、綺麗につけることが出来たんだ。
違和感…は、まぁ少しあるけど、見た目はばっちし。
春蘭は、天才発明家だな。
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