12
「な、泣きそう違うっ」
「…ま、元々深く聞くつもりはなかったんだ。少しからかおうと思っただけでさ。だから、こっちもごめんね雷鳴」
「…な、なんだぁ…」
本気でビビったのに。
三蔵も同じように謝ってきて、龍樹が『だからヤメロっていっただろ』と呆れたように呟いた。
よかった、追求されなくて。
俺はきっと何もいえず、嫌なやつになったと思うから。
「…俺、着替えしてくる」
「ああ、僕らも一回戻るよ。また夕飯のときにね」
「じゃーなライ、タツ」
「ん、またあとで」
バイバイ、とリビングで見送って部屋に入り、制服から私服へ着替える。
ニャーンとすり寄ってきたマリンを抱き上げてベッドに腰掛け、ケータイを取り出した。
うーん、今電話して出るだろうか…いいや、メールしとこう。
「で、ん、わ、ちょーだい、っと」
『にゃ?』
「春蘭にメールしたんだぞー。へへ、マリンふわふわだなぁ」
『にゃー!』
く…っ、可愛いぞマリン!
俺の癒やし!
ゴロゴロいうマリンの喉をすりすりしてたら、電話が鳴った。
メールを送って5分くらい、急かしちゃったかな。
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