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部屋に戻ったら、史也たちもいた。それはいい。問題は、史也と三蔵2人してソファーに座って、俺を見つめてくる、ってこと。
何かしたか…と思いながら龍樹に視線を送ったら、肩をすくめて終わった。
え、助けてくれないのか…?
「ぁ…どうし、た…んデスカ」
「別に、勇士と何話したのか聞こうと思っただけなんだけど…」
「カタコトになるとか怪しいだろ!ライ、何話してきたんだっ!?」
「僕らにはいえないことなのかな」
「…同じチームのやつだろうと雷鳴と2人きりで話すのは許せないらしいぜ」
嫉妬丸出し、と鼻で笑った龍樹に、三蔵がいち早く反応してプロレス技を仕掛けた。
うわぁぁ、痛そう。
三蔵の方が全然小さいのに…。
「雷鳴よそ見をしない。僕らには教えてくれないかな」
「あ…う、いっちゃダメ…て」
「へえ?」
「でも、知らなくても大丈夫なことだから…ごめん、ね?」
いえなくて、黙っててごめん。
その意味も込めて謝れば、史也はため息をついて両手をあげた。
それに気づいた三蔵も攻撃を止めて、史也を見る。
「参った。雷鳴のその顔、僕には堪えらんないよ」
「どんな顔してたんだ?」
「凄い申し訳ない、っていう今にも泣きそうな顔かな」
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