8
「俺、妹がいます」
「ええ、知ってます」
「…双子、の妹で、そっくりなんです、俺と」
「双子…まさか、金蝶自体入れ替わってたのか」
「……はい」
情報を共有しつつ、よく入れ替わってました。そういえば2人は納得したように頷いた。
男か女かで色々な噂がたち、色んな人に目を付けられていたけど、どっちも本当だったのかって。
だから、声でバレるから喋らなかったことも伝えた。
そんな簡単なことだったのかって少し呆れてたけど。
「どうして、入れ替わっていたのか…どうして、ここへ金蝶を隠してまできたのか、聞いても?」
「"引きこもりだったから"」
「…え?」
「え?」
「あ、いえ…その、」
「日本語でいってくれ」
あ、今、中国語だったんだ。
おかしいな、最近じゃ出ることなかったんだけど…一瞬、まだ目が覚めたころの暗い自分を思い出したから、かな。
もう一度日本語で言い直したら、2人してハテナを浮かべた。
「失礼ですが、そうは見えないんですけど…」
「…俺、人が…目?人混み?がとにかく怖くて、外、滅多に出なくて…」
「それは失った記憶と関係あるのか」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!