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ははは、と史也は "爽やか" に笑う。…うん、三蔵はちょっと勉強が苦手みたいだ。
赤点はなくても、どれも低くて史也にバカにされてたとこ。
史也は頭もいいから、文武両道ってやつだ。
「…あ、そうそう雷鳴」
「うん?」
「ゆう、…小澤先輩から伝言」
「小澤さん?」
「今日の放課後、視聴覚室にきてくれって」
もう、放課後だけど。
……えぇぇ。
すっかり忘れてたよ、ってやっぱり史也は爽やかに笑った。
なんかわざとって感じもするけど、呼ばれてるなら早くいかなきゃダメだろ。
慌てて荷物まとめて、視聴覚室に向かうことにした。
相手が小澤さんだからか、史也たちも下までついてきて、そのまますぐ帰っちゃったし。
なんだろう…学園祭の最後のアレが、引っかかるなぁ。
――ガラッ
「……小澤、さん?」
「こっちだ」
「あ、関さん。…遅れてすいません」
「いいですよ、どうせ矢田がついさっきいったとかでしょう」
「ゔ…その、」
図星、です。
って認めたら史也が悪者になりそうだったから、返事はしなかった。でも…関さんまでいるとは思わなかった。
ここへ座れ、って2人の目の前の席に促されて、2人の射抜くような視線を受けつつそこへ座った。
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