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そしたら雫がとりにいってくれて、また手をとられて連れて行かれる。
ただ、その…今は手を繋いで、だけど。
よく春蘭とは繋ぐのに、変な感じだ。
「…俺の部屋、連れてくぞ」
「え、…お、俺、自分の部屋がいい」
「……」
「雫のとこに服ないし、…ダメ?」
「っ…分かった。…少しくれぇなら大丈夫だろう、し…」
返事のあと、小声でなにかいったけど、それはよく聞き取れなくて。
少し早足な雫についていくため、俺は必死に歩くスピードをあげた。
…こうして手を繋いでるとこ見られるの、マズいんじゃないか…と思いつつ。
「雷鳴、それやった相手は誰か分かってるのか?」
「えー…っと、み、みず…みみず?」
「…みずき、か」
「あ、そんな感じだ。雫の親衛隊の――…あ…」
――ピタ、
「し、ずく?いかないの…?」
急に足が止まって、俺は少しだけ雫の前に出た。どうしたのかと雫を見れば俯いていて、表情がよく分からない。
雫の親衛隊、なんていうつもりなかったのに俺…。
「…すまない、俺のせいだな。なのにまた俺はこんな人目につくことを…」
「っ…雫のせいなんて思ってない!あの先輩が悪いだけで、雫は悪くないっ」
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