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「し、ずく」
「…よぉ、旭人にここにこいっていわれてきたんだが…何か用か?」
「え?…ううん、俺は特に…」
「は?じゃあなんで…」
「…仕事しっぱなしだから、休んでっていいたかったとかじゃない、か?」
ってゆうかそんなこといってたし。雫にはただここにくるようにいったのか、少し驚いた顔してた。
でも、俺がいった言葉に雫は妙に納得して、俺の横にきた。
ため息をついた雫に、本当に疲れてるんだなぁと思う。
「つか、生徒会の前で堂々とサボリか」
「服乾かしてるだけだし」
「服?…おい、なんで濡れてんだ」
「そ、れは…かけられた、から?でもだいぶ前に乾いた」
「乾いたって…バカだろ。いくら日当たってても濡れたもん着てりゃ風邪引くじゃねぇか」
何考えてんだ、バカ、って。
2回もバカっていった、ひどい。
けど雫は俺のシャツに触れて眉を寄せ、自分の着ていたブレザーを俺にかけてくれた。
暖かい、と思った。
「着替えは」
「寮に…しか」
「チッ、いくぞ、おら立て」
「うわっ!…あ、ちょ、カーディガン!」
強引に俺を立たせてそのまま出て行こうとするから、別に乾かしてあったベストを慌てて指差した。
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