[携帯モード] [URL送信]
21
「…ここくる前とか、仲ええ友達はおらんかったの?」


「え…あ、…分かんない」


「分から、へん…?」


「何も分かんな…、…そういえば、旭人、どうしてここに?」


「えっ、あっ、…関先輩がおるかと思ったんやけど、いなさそうやねぇ…」

(何やったんやろう、今の…)



関さんか、そういえばよく屋上にいるんだっけ?どこの屋上だろう…。
旭人はケータイを取り出してメールか何か打ちながら、関さんを見つけたらすぐ連絡くれ、といった。

学園祭前で忙しいのに…って。
なのにサボる関さん、あの人にしごかれてそうなのに結構適当だなぁ。



「ほな、私はもういくけど…もう少しここにおる、よね?」


「あ、うん」


「やったら雫とも会ったってぇな。仕事詰まってイライラしてきとるさかい、少し息抜きさせてやらないけないからね」


「へっ、え、なんで俺…!?」


「ふふ、逃げんといてね」



そういってクスクス笑いながら、旭人は屋上から出て行った。
なん、で俺、雫が来るって聞いただけでこんな焦ってんだろう。

ここで逃げる理由はない…はずなのに、なんか無性に逃げたくなった。
けど、旭人がいなくなって5分もしないうちに、また扉が開いて。

雫がきた。


[*前へ][次へ#]

21/183ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!