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「…ここくる前とか、仲ええ友達はおらんかったの?」
「え…あ、…分かんない」
「分から、へん…?」
「何も分かんな…、…そういえば、旭人、どうしてここに?」
「えっ、あっ、…関先輩がおるかと思ったんやけど、いなさそうやねぇ…」
(何やったんやろう、今の…)
関さんか、そういえばよく屋上にいるんだっけ?どこの屋上だろう…。
旭人はケータイを取り出してメールか何か打ちながら、関さんを見つけたらすぐ連絡くれ、といった。
学園祭前で忙しいのに…って。
なのにサボる関さん、あの人にしごかれてそうなのに結構適当だなぁ。
「ほな、私はもういくけど…もう少しここにおる、よね?」
「あ、うん」
「やったら雫とも会ったってぇな。仕事詰まってイライラしてきとるさかい、少し息抜きさせてやらないけないからね」
「へっ、え、なんで俺…!?」
「ふふ、逃げんといてね」
そういってクスクス笑いながら、旭人は屋上から出て行った。
なん、で俺、雫が来るって聞いただけでこんな焦ってんだろう。
ここで逃げる理由はない…はずなのに、なんか無性に逃げたくなった。
けど、旭人がいなくなって5分もしないうちに、また扉が開いて。
雫がきた。
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