20
バレてた。
30分経って、表面的には乾いてきてたから誤魔化せるかと思ったのに…観察力凄いな。
と思ってたら、旭人はほんとに俺の横に座って、ごめんといってきた。
「な、んで、ごめん?」
「私たちが雷鳴くんに関わったからやろう?関わらなければええんやけど…なんや、雷鳴くんってほっとけんしねぇ」
「…悪くない、別に。俺平気、乾いてきたし」
「風邪引いてまうよ?」
「今日暖かいから、大丈夫かと…」
そういったら、旭人もそうやね、って。
んー関西弁かぁ、テレビで聞くのとはまた違って、旭人のは優しい感じだ。
「学校は楽しいやろうか?」
「え?…あ、うん、ちょっとうるさいけど、きてよかったって思ってる」
「そらよかった。雷鳴くんにも、信頼出来る仲間が出来るとええね」
「…ピアス、しあうくらい?」
「ふふ、そうやねぇ。私はこのピアス、かけがえのない仲間の印のようで大切やさかい、そういうことやろうかねぇ」
スリ、と指でピアスを撫でる旭人の表情は呆れたような、でも本当に嬉しそうな顔をしてた。
チームに誇りを持ってるのかな。羨ましい、俺は偽ってるから、大切だなんて言葉は簡単に使えないし。
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